近年では、障がい者雇用に取り組む企業も多くなり、障がい者が活躍する場も以前と比べて格段に広がっております。

しかし、そんな中、障がい者の雇用を進めたいが、方法や流れが分からないため、採用活動をなかなか始めらない中小企業も多いです。

本コラムでは中小企業がどのように進めれば障がい者雇用を成功に導くことができるか、紹介していますので、ぜひ読み進めてみてください。

この記事の目次

中小企業が障がい者を雇用する方法

雇用計画を立案する

まずは障がい者を雇用するために何が必要か?どのようなスケジュール感で進めていくか?等といった障がい者を雇用するためのアウトラインを社内で検討することが必要です。障がい者の雇用にあたっては国で基準やルールが定められているため、正確に把握した上で採用活動取り組むといいでしょう。また、国等から障がい者の雇用にあたって助成金もありますので、併せてチェックすることをおすすめします。

各種助成金の紹介はこちら

社内からの理解を得る

障がい者の雇用にあたり、計画の立案後は実際に共に働く社員からの理解を得るための活動が必須となります。

企業として何故今障がい者雇用に取り組んでいるのか、意義を明確にして、社内からの理解を得るようにしましょう。

また、障がい者雇用に取り組むのは法的義務を果たすためだけでなく、雇用することで大きなメリット生まれることを周知させることも必要です。

社員から「障がい者と働くことで生産性は落ちないか?」や「育成・教育に時間がかかるのではないか?」、「コミュニケーションがしっかりと図れるか?」等といった様々な不安が挙がってくることも予想されます。

障がい者は得意なことと不得意なことがより明確であり、得意なことを理解して雇用することで貴重な戦力として大きなパフォーマンスを発揮してくれることも期待できます。

そのため、人事担当者や経営陣が事前にしっかりと準備して、社内からの理解を得られるよう、普及・啓発することで、障がい者雇用が事業発展にも大きく寄与してくれることでしょう。

障がい者に任せる業務を決める

前述しましたが障がい者には得意なことと不得意なことが明確にあります。それぞれの能力を活かした適切なポジションに就いてもらうためには、自社の事業を鑑みてどのような業務を行ってほしいか?といった棚卸が必要です。

「今は任せることができる業務がない」や「専門職がほとんどで経験がない人を雇い入れることは難しい」といったこともよく耳にしますが、本当にそうでしょうか?少しでも切り出せる業務があれば上手く役割分担ができて相乗効果を生み出すことは考えられないでしょうか?

もし、業務の切り出しが難しいという状況であっても、障がい者雇用を専門に支援している機関や団体、企業に相談してみると上手く切り出せるといったケースも多々あります。

そして、業務を切り出すことができ、採用活動を実施していく場合には、障がいのない人と同様に、能力や適性を考慮しながら、募集・採用活動をしていくこととなります。

一般的には、前述したとおり、障がいの種類や程度によって得意・不得意な職務があると言われていますが、個人差がありますので、職務の選定に当たっては、人事担当者だけでなく、雇用・就労支援を行っている機関や団体、企業に相談することで採用後のミスマッチを防ぐことにもつながります。

雇用方法を決める

障がい者に任せる業務を明確にした後は実際にどのような流れで採用をしていくかを検討していきます。

任せたい業務や求める障がい者に合った募集方法を決めていきます。障がい者の募集方法は一般的に「ハローワークによる職業紹介サービス」や「特別支援学校への求人票提出」、「就労移行支援事業所からの紹介」、「障がい者雇用に特化した民間企業のサービス」等があります。

それぞれの募集方法は企業としてどのような人材を採用していきたいかによって変わってきます。そのため、人事担当者ないしは経営陣はどのような採用チャネルが一番マッチングするのか一つひとつ時間をかけて精査していくといいでしょう。

また、専門的に障がい者雇用のコンサルティングを実施している企業も近年では徐々に増え始めているので、相談してみるのも大幅に時間を削減するための一つの選択肢です。

受け入れ体制を整備する

どのような人材をどのような採用チャネルで募集するか決定した後は採用後どのように障がい者を受け入れるか、体制を整備していく必要があります。

障がい者を受け入れるにあたって、まず人事担当者や経営陣が、障がい別の特徴や配慮すべきことを改めて整理して理解することが必要です。

そして、障がい者を受け入れ、さらに職場への定着を図るためには、人事担当者や経営陣だけでなく、現場で共に働く社員の理解とサポートも不可欠となります。

職場定着に向けて、定期的に社員へ研修等を開催し、障がいについての基礎知識や職務遂行上の配慮事項等の具体的な情報提供を行い、職場全体で受入態勢を整備していきましょう。

また社員の理解を深め、より職場定着に向けた環境を整備していくために専門研修やワークショップ等をアウトソーシングすることもおすすめです。

職場定着に取り組む

障がい者の雇用後で最も重要なことは、長期にわたって職場に安定して従事できる環境であるかどうかです。これまで多くの準備をして臨んだ受け入れも障がい者や周囲の社員が働きやすい環境でなければ意味がありません。

定着のためには、障がい者本人が就業を通じてやりがいやビジョンが見えるようにすることが大切で能力発揮のために適切な配慮や評価を行うことが必要です。

しかし、雇用ノウハウが十分にない企業は障がい者本人や周囲の社員への的確なサポートは難しいことが現実です。

そのため、状況に応じて障がい者雇用を専門的に支援している機関や団体、企業からサポートを十分の行うことが難しいのも現実です。

障がいの種類や業務内容、障がい者本人の適正等、様々な要素があり、障がい者一人ひとりで定着に向けたサポート内容は異なります。

しかしながら、困難を乗り越え、職場定着した後は障がい者が本当にやりがいを持って長く働きたいと思える職場となることでしょう。

中小企業が抱える障がい者雇用における課題

現在、障がい者の就職活動においては売り手市場と言われているため、企業が積極的に雇用したいと考えていてもなかなかスムーズに進まないのが現状です。

継続的な法定雇用率の引き上げによる競争激化

2018年4月1日に施行された障害者雇用促進法によって、民間企業における障害者の法定雇用率は2.2%に引き上げられ、さらに2021年4月までに、企業の法定雇用率が2.3%へ引き上げられる予定です。断続的に法定雇用率が上がっていることから多くの企業が中長期的に採用活動を進めているため、競争が激化しています。

職種を限定しその仕事ができる障害者を採用するという進め方のみでは、人材確保が難しくなっているのが現状でしょう。「適切な業務の切り出し」に課題を抱える企業様は多いです。

的確な障がい者雇用の方法が分からない

多くの中小企業は、障がい者雇用にあたって業務を切り出すことができたとしてもその後の方法やノウハウがなく採用活動に消極的です。

前章で障がい者雇用の方法を紹介しておりますが、実際に採用活動に取り組んでみるとなかなかスムーズに進まず、結局途中でストップしてしまうケースも多々見受けられます。

例えば、受け入れ体制を整備するためには事前に様々な配慮すべき点を社内研修等で周知していく必要がありますが、知的障がい者や精神障がい者に配慮した業務フローの可視化や注意すべき点はそれぞれで異なります。このように障がい者への配慮に対する知識がないことも少なくありません。

採用後のミスマッチ

各部門で業務を切り出した後、本格的に採用活動をスタートさせていきますが、独自の方法で雇用を進めてしまうとミスマッチが起こってしまう可能性が非常に高いです。障がい者雇用の経験がほとんどない企業では障がいの理解が乏しいため、業務内容と上手くマッチングできず、また、職場定着のサポートもほとんどできていないケースが多々見受けられます。

障がい者は、社内でのコミュニケーション不足や労働環境未整備による働きづらさを理由に、短期で離職してしまうというリスクが、ほかの労働者に比べて高くなりやすいということをしっかりと理解する必要があります。

ミスマッチによる離職リスクを少しでも低減させるためには、今までの働き方や環境を見直した上で障がい者雇用をスタートさせていくことが大切です。

障がい者雇用方法の提案や採用活動をサポートしてくれる会社

一般的にハードルが高いと思われがちな障がい者雇用ですが、専門的に採用活動をサポートしてくれる会社もありますので、採用活動が上手く進まない場合、まずは気軽に相談してみるといいでしょう。

企業の状況に合わせて障がい者雇用をサポートしてくれる

「障がい者向けの業務がない」、や「社内の理解を得られない」、「採用できるが定着しない」等、法定雇用率に合わせて障がい者雇用を進めようと思っても様々な課題を降りかかります。

障がい者雇用における課題や解決方法は企業によって異なるため、人事担当者や経営陣だけで障がい者の雇用が難しい場合は、専門のコンサルタントへ依頼することをおすすめしております。

多様な課題解決に向けて知識や経験豊かな専門コンサルタントが企画立案~採用~職場定着まで幅広くサポートしてくれます。

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まとめ

障がい者雇用においては事前の準備が非常に大切です。採用活動を準備がままならないうちに進めてしまうと、仮に採用ができたとしても適切な業務を任せることができないことや社内からの理解も得られないまま会社全体の生産性を落としかねません。

普段の採用活動とは全く別プロジェクトとして位置付け、必要な場合は専任のコンサルタントからのアドバイスを仰ぎながら慎重に進めることをおすすめします。

障がい者雇用は企業が社会的な義務を果たすだけでなく、会社全体の業績を向上させることにもつながりますので、ぜひ前向きに取り組んでみてください。

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